宇宙人の技術を製品化しているという噂を呼んだ新たなチップメーカーが,動こうとしている。幾多の混乱があろうとも本質的に硬直化しているPCチップ業界を,一段高いところから見下ろすかのように。今,時は来ませり。
シリコンバレーで最も秘密主義的な新興チップメーカー,トランスメタ社が,11月にラスベガスで開かれるコムデックス見本市でその謎を明らかにするかもしれないと,同社の社員の1人でありリナックスの創始者としても知られているリーナス・トーバルズ氏が23日,述べた。同社は噂によると,革命的な高速マイクロプロセッサの作成とともに,チップの機能を改善するソフトの製作を行っていると考えられている。
トランスメタ社は,リナックスの創始者のリーナス氏や,AT&Tベル研究所で初期プロセッサを設計していたデビッド・デイゼル氏,マイクロソフトの共同設立者のポール・アレン氏なども参加しており,注目を嫌でも集めるのに,なにを作っているのかさっぱりわからなかった。そのため,一部では同社が宇宙人の技術を用いているなどとジョークで書かれるほどだった。昨年の11月に特許を出願し,初めて情報が露出(CNET Japanの記事)。それによると,トランスメタの特許物は,高速な独自チップに対し,「コード・モーフィング」というソフトウェアで,ウインドウズ,マック,ユニックス,リナックス,Javaなど,なんでもどんな命令系統をも翻訳し,高速に実行する。エミュレーターをハード的にもサポートしたチップという感じだろうが,少ないトランジスタ数で構成することで、ペンティアムでウインドウズを動かすよりもかなり高速になるという。
謎の企業が動き出すのか。本当に実現するのか。次の世代を感じさせる,未来の夢を感じさせる,チップの存在。インテルは820やペンティアム3 ジーオン(Xeon)のバグでおおわらわの時,幕は開かれる。
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